年はとりたくないねえ、御同輩
この世の中、年寄りを色々と大事にしてくれる仕組みや制度があり、我々老人にとっては本当にありがたいことである。いわばこの「老人天国」で、‘シルバー川柳‘と呼ばれるものが流行っている。どれを読んでも、ジョーク、ペソスに溢れた作品ばかりである。
ここで、いくつかの川柳を我が身に振り返り、「自虐意識」を引き起こしながら拾ってみる。(断っておくが、どの名作も作者不詳である)
度忘れ
「おーい、日比野さん」と呼び止めら振り向くと、遠い記憶にしかない、が、しかし、なんとも言えない懐かしい気を起させる顔が、そこにあった。
「いやー久しぶりだねえ。元気かい」
「調子はどうだい、儲かっているかい」
「大したこたあねえよ、近頃は」
などと、取り止めのない挨拶をお互いにやっている間、俺の頭の中は思考があちこち行き交って、なんとも言えない焦りでいっぱいだった。なぜか彼の名前が喉元まで来ているのに、そこから先が一向に出てこない。
何という事だ、相手は俺の名前をはっきり言っているのに。いくら友達同士とは言え、全く失礼この上なし。話の間中、申し訳ない気持ちでいっぱいのまま、その日は別れた。最近は、人の名前の度忘れがひどい。
*久し振り名が出ないままじゃあまたね
*こんにちは思い出さずにさようなら
県人会
今日は県人会、年に一度の「焼きそば大会」。この日は結構年寄りが集まるのだ。
もう一つの、年に一度の「餅つき大会」には、若い衆たちが頑張ってくれるが、「焼きそば大会」は力が要らないから老人どもだけ。そこで一杯やりながら、世間話に花が咲くのだ。
*ボランテイアするもされるも高齢者
視覚障害
大勢が集まっての座談会は、どうも苦手である。一人一人がそれぞれの意見発表をする時はともかく、雑談風話となると毎度のことながら「つんぼ」の俺は全くのお手上げである。誰が何を言ったのかを聞き漏らすことはしょっちゅう起こり、周りに合わせて相槌を打つ、あるいは笑い合うなど、本当につまらん苦労をしている。
*聞き取れずとなりにならってうそ笑い
見解の相達
世の中、なんとなく元気がないのはしょうがなかろう、この不景気では。
通りの向かいのキタンダ(八百屋)をやっていた、幼い子供が二人いる日系人の若夫婦が、店をたたんで日本に出稼ぎに行ったという。
俺は、女房にこう言うてやった。「お前,良かったなあ、俺の嫁さんに貰ってもらって」
女房の返す言葉が、「何言ってるの、来てやったのよ」だと。
*きてやったもらってやったで五十年
*妻不満夫我慢の五十年
健康維持
早寝早起きは健康維持の第一歩というけれど、俺の場合、歳と共に睡眠時間が短くなった。目覚まし時計が要らなくなったのだ。
*目覚ましのベルはまだかと起きて待つ
健康診断
久し振りに(歳が行くと、何かにつけて”久し振り”となる)健康診断を受ける。
結果は、予想通り視力、聴力減退、前立腺肥大など、どれもこれも老人病である。
それぞれ専門医の診断を仰ぐ。今後、悪くなっても良くはならない病状である。
*飲み代が酒から薬の歳となる
*この歳でやめてどうする酒タバコ
*タバコより体に悪い妻の愚痴
*昔バー今は病院ハシゴする
ペンを取る
文才もないくせに、また性懲りもなくペンを取る。年と共に、作文はどうも苦手になる。
考えてみれば、若い頃の作文は結構スムーズに書いていたようだ。と言うのは、出張旅行記、月間営業報告書などをみてみると、我ながらそれらしい文章になっている。しかし、最近は書き始めると、書いていることと考えていることが始終前後して、おまけに漢字忘れが夥しい。漢字を辞書で拾っているうちに、書こうと思っていた文章を忘れ。それを思い出すのにこれまた時間がかかる。一行の文章を書き終わるのに、なんとまあ時間のかかることか。これでは全く立派な老化現象である。
*字を忘れ考えるうちに文忘れ
*ひとつ覚えみっつ忘れる中高年
あの世
あの世に旅立った方たちは、年に一度お盆に還って来られるだけ。誰一人として、現生に還って来られたという話は聞いたことがない。
*あの世は、よほど良い所に違いない。
*日帰りで行ってみたいな天国へ
*老眼鏡みがいて訃報たしかめる
付録として
*老いぼれは老いぼれたことわからない
*あれだあれ年々増える代名詞
*年を取り丸くなる人尖る人
*英雄じゃないけど俺は色好み
*長寿でも長者でなけりゃつまらない
*爺ちゃんの熱い語りに孫あくび
*留守電にゆっくり喋れとどなる父
*納得をするまで計る血圧計
*死んだ子の年を数える八十歳
終わりに
このシルバー川柳が流行る背景と川柳の作者たちの心境を慮ると、「揶揄」「自虐」が見え見え、それを受け入れる世間一般大衆も、同じ思考である。
想像するに、「老人福祉を尊重しよう」などという高邁な謳い文句はタテマエであって、「世の中の年寄りども、いい加減早くクタバレ」と思っているのが、実は、ホンネではなかろうか。
なに?これもやはり、自害的発想?いやあ、年はとりたくないねえ、御同輩!
(原稿: ブラジル岐阜県人会元会計理事日比野健一)
長良高校を誇りに思う!
長良高校29期生の長屋充良と申します。昭和34年生まれ63歳ですから、ちょうど45年前に卒業したことになります。その後。兄の影響で、柔道整復師の学校に入り資格を取って、東京でカイロプラクティックの専門学校と付属クリニックに付属クリニックに入局し、その縁でブラジル国サンパウロでのカイロプラクティッククリニックの立ち上げの為、派遣され、結局,日系二世と結婚し独立、3人の子供(共に医師)と、リハビリ専門のクリニックを営んでブラジル滞在40年になります。
海外に出ると、当該国の方々から日本の事について色々聞かれます.その度に、自分が20年以上住んでた日本の事を何も知らないのだと痛感し、またふるさと岐阜についても、同じ事でした。そうしたこともあって、望郷と共に日本、岐阜のことを気にし、自分なりに色々調べる様になり,「なんて素晴しい国、故郷に住んでいたんだ!」と知らされます。そうした思いまた、今の自分があるのも、生まれ育ち,育んでくれた故郷に、何か恩返しをしたいと、12年前に岐阜県人会でお手伝いをさせていただきました。
ただ当初から岐阜県人会員の減少、若い会員が少ないという県人会の共通した課題があり、これからは県人会同士が連帯を取って、活性化することが命題と、働きかけましたが、当初時期尚早なのか、賛同される方が皆無で、時が流れるばかりでした。それが奇しくも、オンラインが日常化したコロナ禍にあって、今がチャンスと2021年2月に行動を起こし、なんと3ヶ月で「岐阜県人会インターナショナルーGKI]を世界26岐阜県人会加盟で設立しました。その後様々な活動を実施し、GKI設立後1年5々月で10年来の念願だった「第一回岐阜県人世界大会」「第一回世界岐阜県人会サミット」を昨年10月に、600名の参加を賜り、盛大に開催しました。その式典で県産品の海外展開の覚書を県とGKIで締結し、岐阜の「いいもの」を我々のネットワークを利用して全世界にアピールすると宣言いたしました。その他、昨年母校長良高校の3年生全員参加で、我々GKIのメンバーが講師としてオンライン講義を実施し、少しでも若い方が、世界に目を向けて頂くキッカケになったと思います。またGKIを通じて、岐阜と世界を繋げるお手伝いが出来ればと思います。
こうした思いの根幹は、長良高校で学んだフロンテイア精神かも知れません。個人的には、色々悔いの残る高校時代でしたが、その経験は人生に肥やしになって要る筈ですし、大学受験に失敗して柔道整復師になったのも、何かの縁だと思います。しかしながら、何かやり切っていないと奮起し、53歳で夜間大学の理学療法科に入学し、仕事との両立、語学の壁に大変苦労をしましたが、45名いたクラスメート中、4年でストレートで卒業できた4名の1人として57歳で大学卒業となったのは,達成感がありました。そんな経験から、夢は諦めず努力すれば、必ず叶うと信じます。どうか失敗を恐れず、先ず一歩を踏み出してみましょう!必ず結果は後でついてきます。何かあってもやり直しが効くということを、信じましょう!「冬はかならず、春となる!」この言葉をメッセージとさせて下さい、
最後に長良高校並びに同窓会の益々のご興隆と、皆様のご健勝ご多幸を遠くブラジルよりお祈りいたします。
(長屋充良(29期)岐阜県立長良高校の同窓会誌に5月付け)
2023年4月の出来事
- 01日 鈴木長屋ローゼ氏シーラ引き取り
- 11日 在日本総領事館より、今年度の絵画展には多文化使用のサロンの貸し出しは、領事館内リフォーム工事の為できないとの連絡
- 12日 金子相談役から理事会員脱退届毛受取る
- 18日 第19回絵画展委員会会議
- 24日 定例理事会
2023年4月定例理事会議事録要旨
- 日時: 2023年4月24日(月)19:00
- 参加者: 長屋充良会長、長尾ジョージ昇会計理事、佐久間ソニア書記理事大野マルコス理事、児玉エンリッケ理事、清水リナ地方理事、大野光男正監事
- 議事録:
- 会長挨拶
- ご多忙中のご参加に感謝を述べる。
- 式典に河合孝憲副知事が来伯されることが決定。
- 県庁人事異動について、報告、5年前の式典で来伯された矢崎さんが、県産品流通支援課に移り、担当となる。
- 県農高生派遣事業の県庁担当が安藤耕作氏就任。
- 3月度事業報告
- 農高生派遣事業の受け入れ体制が整う。
- 3月度会計報告
- 県からの補助金入金確認
- 年会費の入金確認が続く
- 運動会の件(28/05/23)
- 馬県人会新会長有賀マルセーロ、スエリご夫妻のお陰で、準備が進む。
- 長尾理事が運動会ソング担当で、USBドライブにダウンロード。
- 集客に、元留学生の参加を促す。
- 郡上踊りの件
- 大野マルコス理事を中心に、練習日設定、連絡などに尽力。
- 式典等日程表を確認
- 長屋エリザベッチが式典デコレーション、材料調達等、検討始める。値段設定: たこ焼き/R$30,00、五平餅/R$12,00、けいちゃん/R$25,00とする。
- 販売目標: たこ焼き-4.000パック、五平餅-800本、けいちゃん-500個とする。
- 式典式次第案提示
- カタログ作成、ソニア、亮に担当依頼
- 式典寄付を、促進する。
- 会長挨拶