会報 2020年09月

日本財団グローバル若手日系人意識調査2020年まとめ

皆さんいかがおすごしでしょうか。

コロナ禍も、想像を絶する400万人の感染者、12.4万人の死亡者を記録しましたが、9月に入ってどうにかピークを越えたような感じはありますが、まだまだ油断は禁物です。

さて、今週「日本財団」(笹川陽平会長)による”グローバル若手日系人意識調査”の報告がありました。この調査は、世代の進みと同時に現地化が進み日系人としての意識の希薄化が心配され、実際どういう状態なのかという事と、日本が所謂日系人とこれからどういうふうに付き合っていくのかと言う疑問に対する答えとしてこの調査が、本年、日本財団、北米の全米日系人博物館とで、11ヵ国の12都市で調査が行われました。

特に18~35歳の若手日系人が主な調査対象となっております。日系人の定義として、「日本から海外に本拠地を移し、永住の目的を持って生活されてる日本人並びにその子孫の2世、3世、4世等。国籍、混血は問わない」とあります。
1868年(明治元年)ハワイ集団移住から始まった海外移住は、北米、南米と広がり今迄に日系8世を生み,綿々とした移住の歴史は、現在380万人の日系社会を形成しました。
(その中、半分以下は、190万とも200万ともいわれるブラジル移民であり、北米130万人、カナダ12万人、ペルー10万人、在日日系人25万人となっております)。

調査の結果:

  1. 若手日系人は日系アイデンティティーを確立しており、日系人としての意識を強く持っている。(ミクロ)
  2. 若手日系人は他国の日系人とのつながりを求めている。(メゾ、マクロ)
  3. 若手日系人は日本に強いつながりを感じている。(マクロ)
    という事が分かりました。

①の調査では、74%の若手が、日系人として強い意識、アイデンティティーを持っていることが判明しました。その日系人のアイデンティティーを形成する重要な要素に:
1. 日本的価値観
2. 文化的要素
があり、その若手日系人にとって重要な価値観として、1.頑張る、2.尊敬、3.感謝、4.もったいない があげられ、特に若手の‘もったいない”に関しては、調査順位として年配者よりも上位にあげられ、環境問題が影響しているのではないかと推測されるとのこと。またこうした価値観は、両親や祖父母から教わった傾向にあり特におばあちゃんからの影響が大きいとの結果が出ました。(おばあちゃんの皆様、孫の教育を引き続きお願いします)。

また日本的価値観を持っていることに誇りを持っていて、次世代にも継続したいという答えも多くあったそうです。それと年代を問わず、頑張るが最も重要な価値観である事が明らかにされました。

次の要素として文化的要素については、一漑には言えないとしても、挙げられるのは、日本語能力、食文化(日本食)、お祝い、伝統行事、イベントなどで、日常生活でどのくらいの頻度で日本文化に触れているのかという点で調査され、言語と文化は相関関係がある、日本語を話せると、日本食を家で食べる傾向にある、日本的価値観を持っていると、文化行事に参加する非常に強い傾向が見られるとも結果が出ました。

日系人の日本語能力について、日常生活で日本語を使う機会は、月一回以下程度が半数以下、全く使わない人は23%、月一回使うか使わないが21%で44%となってますが、然しながら、若手日系人の日本語学習意欲は高くなっています。

食生活として、日本食を食べる頻度は週に1~2回は食べると日常的に日本文化が浸透していて、自宅では週1、外では月2~3回が最も多い回答となっています。

次に伝統行事、お祭り、イベントに関しては、正月が最も重要な行事であり、続いてお盆と、家族との関わり、日本文化における家族の重要性が考察できるとなっています。

ポップカルチャーとして、アニメ(21%)、漫画(14%)、カラオケ(13%)に触れている。

② 若手日系人は国際的な繋がりを求めているという点について、90%近くの人が関心あり、日系人同士だから分かり合えるところがあると答え、その手法としてSNSを利用して繋がりたいと思っている。

地元日系社会については、ブラジル半数以下の人が関わりがあるのですが、これは地域差がありました。ブラジルでは特に日系社会の将来について 7割の人が不安を感じていました③ 日本とのつながりを感じてるについては、ブラジル半数近くの人が強いつながりを感じ、それなりのつながりを感じている人を合わせると、7割近くになりました。また、東京オリパラに7割近くの人が誇りを感じ、また自分の母国に対するつながりに関して7割の人がその意識を持って、母国、日本とトランスナシヨナル.アイデンテイテイ-を持ってグローバルな日系人像が明らかになりました。

これから、日本財団が今後の取り組みとして、日本との関係強化、横のつながりを強化していくとありました。

最後に、纏めとして、日本に親近感を持っている世界の人と、日本をどうやってつないでいくかということに、努力していく事を述べられました。

この調査結果を鑑み、将来の県人会、日系社会の方向性を決める素晴らしい資料になると思います。どうか皆さんも共有ください。ありがとうございました。

(原稿:岐阜県人会会長 長屋充良)

 

岐阜県とのつながりのある私、岐阜県国際交流センターの岐阜県国際交流員として3年間も役割と人生の歩み (後編)

2000年の「岐阜県青年海外派遣研修事業」には妹の桑原エリザ由美清水が選ばれ、2002年には私も参加可能というお知らせがあり、とても嬉しかったです。その交流事業で知り合った通訳者の島袋マックス純国際交流員が来年度は「僕の席が空きますので」、応募したら良いのではないかとの意見があり、試験を受けてみることにしました。

一般財団法人自治体国際化協会(クレア)が取材する事業、ジェットプログラムの試験はブラジル全国に位置している在日本国総領事館と日本国大使館と同時に行われていて、私は在サンパウロ日本国総領事館で受けました。5つの県に派遣される予定で、その結果、まさか私が2003年度に岐阜県に選ばれるとは夢みたいな出来事でした。

岐阜県の国際交流員としての三年間の日本滞在は、あっという間に経ちました。日本人や外国人と知り合うきっかけ、そして一番大悲しい思いではお別れの時でした。

だが、2008年と、10年後の2018年には「ブラジル日本人移民110周年記念祭」、「岐阜県人ブラジル移住105周年記念・ブラジル岐阜県人会創立80周年記念式典」、「レジストロ市日本人殖民105周年記念式典」のそれぞれの式典が最大に行われ、その年の7月29日には同時に姉妹都市推進関係である岐阜県副知事御一行の他、岐阜市長御一行、下呂市長御一行、美濃加茂福市長御一行等、約30人がブラジルを訪れました。同じく、10月18日~20日まで岐阜県中津川市長御一行も19名の訪問団が式典に参りました。私も岐阜県民であり、元岐阜県の国際交流員として色々な行事に参加しました。

2015年7月~2019年3月まではジェットプログラム同窓会ブラジル支部の会長との役割を受け持ち、元国際交流員の経験が深り、私の、二つ目の忘れない出来事がありました。2016年、平成28年11月7日に京王プラザホテル新宿で「JETプログラム30周年記念式典及び記念レセプション」に世界中から800人の方々が招待されて私も東京へ行きました。その際に、強力なセキュリティの中で式典が行われていて、世界中の国々から17名の会長が一部屋に集まり、当時の徳仁皇太子殿下と雅子妃殿下との面談が各代表者に30秒のお話が許されるとの知らせがありました。足がふるえ、頭はこんがらがって何をお話していいのかが一番の問題でしたが、私のばんになり、皇太子殿下はとても優しい笑顔で「ブラジルには二回も行きました」と言われ、ほっとしてある程度スムーズな話の流れになりました。雅子妃殿下とのお話も同じように優しいお顔でブラジルの日系社会は活発だとおっしゃっていました。

岐阜県の国際交流員としての歩みは人生の中で思いがけないほど沢山の出来事がありますが、ブラジルに住んでいる我々は岐阜県の誇りをみんなに紹介する役割を果たすためにこの世に生まれてきたのではないかと思います。岐阜県民の皆さんはどう思いますか。その都合で毎年再開する「日本祭り」は本当に日本のゆかりのある人達には一番需要なイベントだと考えます。是非是非来年は皆さんの手を貸して頑張りましょう

(原稿:岐阜県人会 地方理事 清水リナ春美)

 

第10回ブラジル岐阜県人会杯ゴルフコンペ

去る9月7日(月、祝) 、PLゴルフクラブにて、コンペが開催されました。

今回コロナ禍の中で、公式コンペはできないので、普段と同じプレーという事で、行いました。

流石に、参加者は4人と寂しい限りでしたが、一応、第10回コンペとして、実施でき安心しました。

素晴らしい秋晴れで、楽しくゆったりとプレーでき、県人会の理事で、大野美夏さんが、堂々の優勝で、優勝カップを獲得されました。アウトは、43で、ぶっちぎりでした。

回を追う如く、参加者が減っているので、何かメンバーを集めるのにアイデアを絞らなければいけないという事で、岐阜県出身者であれば、ベストですが、岐阜県にゆかりのある方にも門戸を広げたいと思っています。

皆様のご協力お願い致します。

(原稿:岐阜県人会会長 長屋充良)

 


2020年8月の出来事

  • 03日
    • 県連主催オンライン代表者会議
  • 10日
    • 第16回日伯友情交流絵画展の寄付契約書、宮坂財団から、受け取り
  • 11日
    • 絵画展委員会より豊田豊アーチスト特別参加招待、参加承諾
  • 15日
    • 県人会定例オンライン理事会
  • 17日
    • 絵画展申し込み締め切り40名の応募者その中2名は日本からの応募。
  • 20日
    • 県人会便り7月号発送/郵送
  • 26日
    • 絵画展委員会オンライン会議、入選者決定
  • 28日
    • 県連主催オンライン代表者会議

2020年8月定例理事会議事録要旨

  • 日時:2020年8月15日 午後3時~7時 ビデオ会議
  • 出席者:長屋充良会長、国井宏裕副会長、長尾ジョージ昇会計理事、佐久間ソニア書記理事、大野美夏 理事、平野イラシ理事、中田顕三理事、金子補佐理事、橋詰セシリア補佐理事、大野光男補佐理事、清水リナ地方理事
  • 審議内容
    1. オンラインがうまく繋がらず、会長のお詫びの挨拶から始まる。
      本日は終戦記念日という事で、310万人の尊い命が失われた戦争の悲劇を再確認しようと呼びかける。
    2. ソニア理事より7月度の出来事説明、コロナ渦の為、オンライン会議が多くなる。
    3. 長尾会計理事による7月の会計報告、絵画展の応募申し込み入金確認。
    4. 10月18日のデリバリーとテイクアウトについて、群馬県人会とコラボで、三重県人会会館を借り開催予定。たこ焼き、焼きそばを売る(五平餅も候補に!)焼きそばの味付けで意見を交わす。群馬県人会と共催方法を検討。
    5. 第16回日伯友情交流バーチャル絵画展は15日で、応募〆切40名の参加者確認、今回初めて日本から2名の参加者。
    6. 次回定例理事会は2020年9月19日(土) 午後3時~