会報 2020年08月

岐阜県とのつながりのある私、岐阜県国際交流センターの岐阜県国際交流員として3年間も役割と人生の歩み (前編)

ブラジル連邦共和国サンパウロ州レジストロ市出身の清水リーナ春美です。純粋な日本人の血を継ぐ日系二世です。父は岩手県一関市出身で、母の先祖は岐阜県坂内村です。

レジストロ市はブラジルで一番古い日本人の植民地だと言われています。

1980年からレジストロ市は岐阜県中津川市と姉妹都市提携を結び, 今年で40周年を迎えます。その交流により私はブラジル岐阜県人会の会員のみならず岐阜県の方々と交流がますます出来るようになりました。その交流で何回も日本を訪れる機会もありました。今年の11月にコロナウイルス感染症で世界中の状況により、岐阜県中津川市で開催される40周年式典の際にレジストロ市市長御一行と行動する予定です。

2003年4月から2006年の3月までに、財団法人岐阜県国際交流センターの国際交流員として三年間活躍しました。ブラジルへ帰国して14年も去りましたが、ブラジルと岐阜県の架け橋で様々な貢献を続けられて幸いと思っています。レジストロ市でのボランティア活動が、日本での仕事の一部になりました。レジストロ市にはレジストロ日伯文化協会があり、ブラジルのほとんどの文化協会や県人会の活動が必ずしも活発でない中、日本文化を必ず生かしたい、守りたい、続けたい気持ちを深く持ち、そしてその考えから、日本と同じような街づくりをやるようにしています。私にとって文化の啓発は国際交流員の大きな仕事のひとつでした。皆さんの意見はどうでしょうか?グローバル化の時代で国際交流の重要性を理解できますか?

2004年9月には小泉総理大臣がブラジルを公式訪問する直前に、国際交流員としての初めてのすごい機会、JET Programmeに参加していた16名のブラジル国際交流員が小泉首相との懇談会に招待され、私の人生の中で、忘れることのできない思い出になりました。麻生太郎大臣もブラジルに3か月くらいに住んだことがある経験と我々にも会ってくれました。平成16年11月には岐阜県人ブラジル移住90周年記念高齢者招聘事業が行われ、母が団体の代表として岐阜県を訪問することができ、私は大感激でした。(財)岐阜県国際交流センターの事業の企画・運営にも数多く参加できました。平成17年には、ブラジル人学校で防災訓練を実施しました。また、法律問題に困っている外国籍の方々に「外国人のための無料法律相談」を行い、弁護士と相談者間の通訳を行いました。平成18年には、日本人と在住ブラジル人が集まり、これからの地域づくりについて考える「多文化共生シンポジウム」にも携わりました。国際関係のみならず、日本の政治、経済、文化、社会や県政の知識を高めるのも国際交流員には必要不可欠です。

こういう機会は、多数の人々と知り合い、ふれあうことができ、私達の知識、人格形成や成長にも大変役立つと思います。現在の国際化、グローバル化、インフォメーションやテクノロジーの進展を見れば、皆さんがそれぞれの考えを展開する時代に入ってきたと思います。私達だけが知識を得ることだけを考えず、皆さんにもそういう考えを与える方法を見つけることも目指さなければいけないと思います。例えば、ブラジル出身の私は、色々な人種の中で生活をするのが当然なので、色々な人種の言語、習慣、文化、歴史や宗教、貧富の差の激しさ等を受け入れなければいけないです。それを岐阜県国際交流センターの事業として、学校訪問の時には学生や先生、イベントの際には、一般の方にビデオやパンフレット、CD,本や写真で私の国を紹介していました。それでも、時々私たちでさえ、「自分の国のことが分からない、知らない」という事が沢山有ると気づきました。でも、それは仕事であろうが、ボランティア活動であろうが、とてもいい経験でした。20年程前の国連の大テーマは「ボランティア活動」でした。皆さんはどう思いますか?

私たちはネットワークやインターネットを通じ、「知識を広げる」、「国際交流を理解する」ということのみをターゲットにしている気がしますが、ブラジルでは貧富の差が激しい国なので、余裕の無い生活の人々を救ってあげる方法や食べ物を与えるとか、どうすればその人々に教育の機会を提供できるのかを考えないといけない状態になっていました。現在と変わらず、あの当時も、ブラジル国政の変化により、急に経済状況が悪下し不安定なため、ブラジル日系人(三世、四世や五世の時代)や非日系のブラジル人、日本語を全然知らず、日本の文化や習慣、日常生活を知らない人々など、日本への出稼ぎ労働者が増加していたため、日本政府も様々な問題を抱えており、大変困っていました。岐阜県内でも約1万8千人のブラジル人が滞在していました。ですから、国際交流員のもう一つの役目としてこれらの人々をサポートしなければならなかったのです。色々な問題の中で、多くの人が非常に心配していたのは子供の教育で、岐阜県も外国人児童不就学の対策を考えていました。

岐阜県と岐阜県人会の交流は活発でしたので、私は国際交流員として様々な係わりがありました。

その移住関連の仕事として平成15年に、「岐阜県人ブラジル移住90周年記念式典・ブラジル岐阜県人会創立65周年記念式典」の際に岐阜県知事、マスコミの団体及び各四市の姉妹提携(「岐阜市とカンピーナス市」、「中津川市とレジストロ市」、「関市とモジ・ダス・クルーゼス市」、「下呂市とサレゾポリス市」)を結んでいる関係者がサンパウロ州を訪れ、岐阜県をPRする事業が展開された際の文章作成や翻訳が私の主な仕事でした。

その他、平成16年に「岐阜県農業高校生海外実習派遣事業」や「岐阜県青年海外派遣研修事業」において、日本人青年にブラジルを紹介し、日本を訪れるブラジル青年には通訳のサポートの仕事をしました。(つづく)

(原稿:岐阜県人会 地方理事 清水リナ春美)

県人会現在理事、中田リカルド顕三氏の紹介

自己紹介をします。私の名前は中田リカルド顕三です。現在27歳で、ミナス•ゼライス州、イタジュバー(Itajubá/MG)連邦大学のバイオ•プロセ及びバイオ•テクノロジーの工学部を卒業しました。現在、R&D(Research & Development 研究と開発)のエンジニアとしてNippon Ham Foods Ltd. (日本ハム株式会社 Nippon Hamu Kabushiki-gaisha)、そしてコンセプト•エージェンシー(Concept Agency)のモデルとして勤務しており、自由時間にはダンス、及びサーカスの曲技飛行の教師として働いています。

幼い頃から、日本の伝統文化に興味を持っていて。4歳~18歳までサン•パウロ州サン•ベルナルド市のみずほ日本文化協会(Associação Cultural Japonesa Mizuho em São Bernardo do Campo/SP)で日本語、演劇、伝統舞踏、折り紙、礼儀作法、コーラス、太鼓などを学びました。そのほか、運動会、カラオケ大会、6月のブラジル独特のフェスタ•ジュニ―ナ、年末の祭り、焼きそば祭り、ブラジル郷土食のフェイジョアーダ祭りなど、色々な日本やブラジル伝統の行事に協力そして参加しました。

子どもの頃から、日本語は得意で、学友の間ではいつも最高点数を取り、サン•パウロ州サン•パウロ市の日本語弁論大会(お話大会)では12年間連続で1位を取りました。12歳で「みずほ和太鼓」のグループのリーダーとして打ち方を教え、「立つ鳥跡を濁さず」の諺に習って授業後、級友たちと一緒に教室の掃除をするのが楽しみでした。

ブラジル移民百年祭の式典で皇太子徳仁親王の御前でブラジルの1500人の太鼓と「みずほ和太鼓」のグループが、サン•パウロ市のサンボードロモ(サンバを披露する広場)で参加した事は貴重な思い出として残っています。その日以来、より一層日本が好きになりました。2020年02月16日、岐阜県人会の理事に任命され。現在中部ブロックで岐阜県の若者の代表者になり、岐阜県人会の存続を目指して頑張っています。

現在のブラジル日系の若者の世代はルーツ、祖先、日本文化の伝統から遠ざかっているようです。今年、この状態を切り替え、日本文化の価値を再認識するために、44人の日系人が属する「ブラジル中部」グループに入会しました。

現在の仕事、人生の重大な出来事など、私の人生はすべて日本が中心になっています。まだ日本を訪問する機会に恵まれていませんが、将来日本語を更に学び、すべての都道府県に訪れて、素晴らしい日本の自然、歴史や人々に接したいものです。

(原稿:岐阜県人会理事 中田リカルド謙三)


2020年7月の出来事

  • 02日
    • 県連主催オンライン日本祭り会議
  • 03日
    • 県庁から第2回海外岐阜県人会交流会の開催延期の連絡
  • 06日
    • 長屋ベッチさん事務所の電話/インタネット使用料の削減実現
  • 07日
    • 県人会便り5,6月号郵送
  • 14日
    • 事務所のコンピュタートラブル、長尾理事トラブル解消
  • 16日
    • 県連主催オンライン日本祭り会議
  • 18日
    • 県人会オンライン定例理事会
  • 20日
    • 絵画展委員会オンライン会議
  • 30日
    • 県連オンライン代表者会議長屋会長参加

2020年7月定例理事会議事録要旨

  • 日時:7月18日(土)午後3時~ビデオ会議
  • 出席者: 長屋充良会長、国井宏裕副会長、長尾ジョージ昇会計理事、金子補佐理事、佐久間ソニア書記理事、大野美夏理事、平野イラシ理事、中田顕三理事、清水リナ レジストロ地方理事、大野ルマ 南リオグランデ地方理事
  • 議題
    1. 長屋会長挨拶
    2. 6月の出来事、会計報告
    3. 第16回日伯友情交流絵画展のバーチャル展示決定、それで日本からの申し込みも可能、県人会と岐阜県庁のサイトで申込受付の開示の報告。
    4. 第23回日本祭りもバーチャル式で10月3日に開催報告
    5. COVID-19の為、連帯9県人会中部青年部のボランテイア活動で衛生用品及び必要食料品集めの呼びかけ。長屋会長、大野美夏理事、中田リリアン会員、佐久間ソニア理事、金子会員、ライオンズクラブのタカシ氏、原ジョージ氏協力。 全寄付品は中部グループのInstagramに公開される
    6. KLN(県連青年部リーダおおよそ20名)県連主催のアクティビティに参加、県人会活性化の為長屋会長リーダシップのもとに、新グループ形成