会報 2019年10月

「日伯友情交流絵画展」に寄せて
共有出来る何かが生まれるのでは…

在サンパウロ日本国総領事館とブラジル岐阜県人会との共催による総領事館多目的ホール(パウリスタ大通り854番の在サンパウロ日本国総領事館内3階)で「第15回日伯友情交流絵画展」が開催されます。
オープンニング(=イナグラソン)は11月4日(月)午後5時から7時。翌5日(火)から14日(木)まで8日間に土日を除いて、午前10時から午後5時まで誰でも無料で来館見学ができます。ただし、最終日14日は午前10時から12時まで。
この日伯友情交流絵画展はブラジル岐阜県人会の文化活動の一環として、2005年より始まったのですが、「在サンパウロ日本国総領事館」が後援という形で応援を頂き、2016年からは正式に共催という形に変わり、今年で通算15回目の多目的ホール使用の展覧会開催となっています。
ブラジル岐阜県人会と絵画展は、全く無縁な存在ではなく、かつては「土本真澄」氏(元ブラジル岐阜県人会副会長、ブラジル日本文化福祉協会美術委員会に属する日系画家)や小島康一氏(ブラジル岐阜県人会副会長)など、早くから絵画に対する関心が深かったようです。このような背景の中で、2003年2月当時、私(山田彦次会長)の提案で、ブラジル岐阜県人会主催の「絵画教室」が開かれるようになりました。
この絵画教室は毎月、県人会会館(旧県人会館)で開かれていましたが、生徒数が思うように伸びず、1年余りで閉鎖。その後、個人的に山田彦次、小島康一が各地の展覧会や「ブラジル日本文化福祉協会」主催の「大総合美術展」に出展し、連続入選を果たしてきました。
2004年には当県人会内部や外部の絵描きさんたち、さらには絵画に関心のある人たちから「県人会主導の絵画展を開いては…」という意見が多く出されるようになりました。
これを受けた県人会理事会では、絵画展開催について審議決定をし、展覧会会場となる場所が、議論の中心となりました。最終的に「在サンパウロ日本国総領事館」多目的ホールの使用要晴は出来ないか、という意見が多数を占め、当時会長でもあった山田が在サンパウロ総領事館文化班を通じ当時の西林万寿夫在サンパウロ日本国総領事に要請。開催を快諾していただくと同時に、多目的ホールの無償提供を受けることになりました。

条件は「文化交流の目的」という事業であることから
1 作品の優劣を競う場ではない。
2「展示品の販売という経済行為を自制すること」
などが決められました。

第1回は戦後移住者交流を中心とした目的で、小規模な「戦後移住者絵画展」が開催されました。その後、回を重ねるごとに徐々に日系ブラジル人やブラジル人画家の参加が増え始めました。
2006年には絵画展のタイトルも「日伯友情交流展」に変わり、当時の西林万寿夫在サンパウロ日本国総領事からも「芸術活動は異なる文化を有する人々の間の相互理解を促進するものであり、今般の絵画展を通じて、一人でも多くの日系人、芸術家の活動を知っていただくと同時に日本移民100周年に向け、芸術交流を通じた日本・ブラジル間の友好関係がさらに深まることを確信している」というメッセージが贈られてきました。
これを機に「絵画展のさらなる発展を…」と、日伯で活動している芸術家の皆さんが集まり、交流の幅を深めるべきだと話がまとまり、以降、タイトルも「日伯友情交流絵画展」と変更し、現在にいたっています。まさに日伯間アーチストの皆さんの見識の高さを物語っています。(備考:尚、展示品の経済行為禁止は珍しい)
また、日本人ブラジル移住100周年「2008年」の記念の年には、サンパウロ州モジ・ダス・クルーゼス市と岐阜県関市の姉妹都市交流記念の一環として、ブラジル岐阜県人会が主催、モジ・ダス・クルーゼス市の後援で「日伯友情交流絵画展」がはじめて地方市で開かれたのも注目されました。
以降、参加人数は毎年異なりますが、ブラジル岐阜県人会の文化事業として、在サンパウロ日本国総領事館との共催で、年の後半時期に開かれており、この間、歴代の在サンパウロ日本国総領事であった西林万寿夫様をはじめとして大部一秋様、福嶌教輝様、中前隆博様、野口泰様と、5代にわたっての応援を得て、この11月には第15回目の絵画展を開くところにまで発展しました。
同展に出品して下さるアーティストの方々は、交流の大切さを実感し、身を持って表現して下さっております。またそれを応援して下さいます皆様方の協力があってこそ実現しています。在サンパウロ日本国総領事館と共に進めてきた、このブラジル岐阜県人会の文化事業は、日伯両画家の皆様方にしても、総領事館での展示および共催という、非常に名誉ある絵画展への参加となるのではないでしょうか。
また私(山田彦次)個人としては、毎年、在サンパウロ日本国総領事館、多目的ホールでの共催事業に参加し、開催するにあたり、ある年に読んだ「藤沢周平氏」の書の中の一節を思い出します。
「日残リテ昏ルル二未ダ遠シ」。これは藤沢周平氏の著「三屋清左衛門 残日禄」の一部ですが、「残る日を数えようと言うことではない」と作者は清左衛門に語らせています。また、残日録を解説している丸元淑生氏によれば「清左衛門は人間的には、いわば硬質的な石のような存在である。其の石がわずかに変化し、成長するところに味わいがある。」と結んでいます。
2015年に私なりに考え、26年間の県人会の会長職を辞任し、それからは日伯交流絵画展のみに専念してきました。そして「これで良かった」と納得をしています。
この物語の中で、清左衛門が隠居した直後に襲われた静寂感のようなものは、私にはありませんが、どうしたら、これまでお世話になった多くの方々に、これからも少しでも恩返しができるのかと、現在も暗中模索の最中です。
この展覧会も、今では「在サンパウロ日本国総領事館」と「ブラジル岐阜県人会」共催ということで、今年も15回目を迎えました。ですが、これまで多くの関係者の皆様にお世話になりました。改めて、紙面をお借りして、「在サンパウロ日本国総領事館」の歴代総領事様をはじめ、現在の野口泰総領事の多大なご理解と文化班の皆様方、さらにはこの「日伯友情交流絵画展」に物心両面において、応援をして下さいます 「宮坂国人財団」をはじめ、関係者の皆様方に心より厚く御礼を申し上げる次第です。有難うございます。どうぞ、一人でも多くの皆様方のご来館をお待ちしております。

(原稿:岐阜県人会顧問・山田彦次)

 

岐阜県人会杯ゴルフコンペ

第8回ブラジル岐阜県人会杯ゴルフコンペが9月15日(日)12時より、ホームグランドのPLゴルフ・クラブで晴天の中、開催されました。
今回はブラジル豊田通商社長の今井さん(各務原市出身)も参戦。18ホールで熱戦が繰り広げられました。
優勝はパープレイでまわったブラジルトヨタの有尾さん(大垣市出身)、準優勝は同じくパープレイで唯一80台を出した大野美夏さん(県人会理事、揖斐川町出身)、第3位は県人会会員の柴垣さんでした。
夕方の表彰式、懇親会には梅田ご夫妻(日本農業駐在員、加子母出身)、間瀬ご夫妻(JICA駐在員奥様は高山市出身、ご夫妻とも岐阜大学卒業)の若手が加わり、夜半まで楽しい宴会となりました。
次回の第9回ブラジル岐阜県人会杯ゴルフコンペは、同じくPLゴルフ・クラブにて、来年1月26日(日)12時スタートを予定しておりますので、奮ってご参加ください。

(原稿:岐阜県人会会長 長屋充良)

 

2019年9月の出来事

  • 2日
    • 壊れた印刷機1つ、焼けたモニター2つ、ハードディスクが焼けたコンピュータ2つを AACD(Associação de Assistência de Crianças e Deficientes)のバザーSamburáへ寄付。
  • 3日
    • 日本祭り及びジャパンハウスの費用交付請求書を県庁へ郵送。
    • トッパンプレスの奥山さんより第15回絵画展のカタログの見本送られてくる。
  • 4日
    • 山田絵画展委員と小田エルザさんカタログをチェック。
    • 県庁から送られてきた県費留学生応募の書類を会員の中田リリアンさんへ送る。
  • 6日
    • 県費留学希望候補者・中田アンジェロ氏が県庁へ送る書類届けに来所。
  • 7日
    • 長屋会長が「トメアス移住90周年記念ディナー」へ参加。
  • 10日
    • 在サンパウロ日本国総領事館より絵画展のカタログに載せるメッセージが送られてくる。
  • 10日
    • 19:00~ 愛知県人会にて長屋会長、若手県人会長との会合。
  • 11日
    • 県費留学応募者の書類を県庁へ郵送。
  • 14日
    • 15:00~ 郡上踊り「三百」の練習開始。
  • 15日
    • 第8回ブラジル岐阜県人会杯ゴルフコンペ開催、有尾さんが優勝。
  • 19日
    • Cunhaの宿泊代預金の50%(Pousada Uemura)とバスレンタル代(Kuba Turismo)を支払う。
  • 21日
    • 定例理事会に大野光男氏、平野イラシ氏、佐久間ソニア氏、長屋エリザベッチ氏らも参加。
  • 22日
    • 金子理事が岐阜県人会を代表して、和歌山県人会創立65周年記念式典参加。
  • 23日
    • 大野光男会員から使用済みモニターが寄付される。
  • 24日
    • 日本祭り及びジャパンハウスの訂正交付金請求書の書類を県庁へ郵送。
  • 26日
    • 事務所用の新しいコンピュータを購入。
  • 27日
    • 県人会便り8月、9月号発送。
  • 28日
    • 県人会事務所で矢野かおる先生による第一回着付け教室を開催。15名が参加。
  • 29日
    • 九州ブロック芸能祭へ郡上踊りで参加。県連からの依頼で「第13回弁論大会&第40回日本
    • 語スピーチコンテスト」(県連&ブラジル日本語センター共催)に長屋会長が審査員として参加。
  • 7月の出来事に追加:7月31日
    • 橋詰理事がJICAのボランティア多賀かえでさん(日本カントリークラブで2年間研修)と会食。

 

2019年9月定例理事会議事録要旨

  • 日時: 2019年9月21(土) 定例理事会 午後3時~
  • 出席者: 長屋充良会長、国井宏裕副会長、橋詰二朗理事、日比野健一(会計理事)、日比野亘理事、長尾昇理事、佐久間ソニア会員、平野イラシ幹事補佐、長屋エリザベッチ会員
  • 審議内容
    1. 会長挨拶、日本祭りの総括、県人会の動向について説明
    2. 8月の出来事と7月31日に橋詰理事が2年間ソフトボールを指導するために派遣されたJICAボランティアとNippon country clubにて面会、会食。
    3. 令和2年度県費留学について、中田リリアン会員の子息・アンジェロ英司氏を推薦。
    4. 日本祭り県庁委託事業について、関係書類を県庁に提出。
    5. 9月29日(日)、10月5日(土)、11月10日(日)の各イベントに郡上踊り参加。
    6. 11月10日(日)第1回「春の屋台まつり(仮称)」について 岐阜県人会、愛知県人会、福井県人会、群馬県人会で「春の屋台祭り(仮称)」を開催。
    7. ブラジル岐阜県人会忘年会を11月30日に予定。
    8. 人材派遣紹介、業者に委託。
    9. コンピュータ見積りについて長尾理事から説明があり承認。佐久間ソニア会員、大野光男監査、長屋エリザベッチ会員、長尾昇理事より寄付を得る。
    10. 令和天皇即位式典参加
    11. 次回の理事会は10月19日(土)午後3時~