自然と伝統がハーモニーする岐阜
去る7月3日、ブラジル岐阜県人会は Japan House が主催する“日本47クラフト展”の一環としてイベント&展示を行いました。
私、深水・長屋・恵・エリーナ(県人会会員、3世、本年1月の南米若手リーダー岐阜県招聘事業に参加し、岐阜県の伝統行事、慣習、郷土食、自然を見学体験)と池戸アンドレ(106年前の若狭丸による11家族44名の第一回岐阜県人ブラジル移住の郡上出身者の孫にあたる、)清水・晴美・リナ(岐阜県国際局JETプログラム元コーディネーターで、レジストロ市中津川市姉妹都市協会役員)の3人で、岐阜県の美しさや文化、伝統を会場内約150名の超満員の中、ご紹介させて頂きました。
プレゼンテーションでは、まず最初にリナさんが岐阜県の東濃地区、中津川市、そして世界遺産でもある白川郷について写真を見せながら紹介。その後、1300年もの歴史がある調教した海鵜を使った漁法「鵜飼い」についての説明をしました。
続いて、私が飛騨高山の有名な高山祭に使う「からくり山車」「地酒」「匠の技の木工製品」について説明。さらに一世を風靡したアニメ『君の名は』の舞台となった飛騨古川や関市の刃物、美濃市の美濃和紙についてもお話をさせて頂きました。
最後に、アンドレ氏が自身の祖父の出身地で、日本3大盆踊りでも有名な「郡上踊り」の郡上市について、細かく紹介しました。
締めくくりには、日本から贈られた浴衣を着た有志による郡上踊りの実演をしました。さらにサプライズのプレゼントもし、参加者にも大変喜ばれ、ブラジル社会に岐阜を大いにアピールする場となりました。また、発表した私たちにとりましても、大変思い出に残る素晴らしいイベントでした。
(原稿:深水・長屋・恵・エリーナ)
第41回岐阜県農業高校生海外実習派遣団をお迎えして! (1)
去る7月27日(土)午前9時30分、クンビッカ空港にて第41回岐阜県農業高校生海外実習派遣団(八束㓛子団長 足立伸幸副団長率いる生徒10名)が、暖冬の快晴の中、サンパウロの地に降り立ちました。
5日間のアメリカ研修を終え、疲れた顔もみせず、これから始まるブラジル研修に胸を膨らませて、意気揚揚とした感じでした。
早速、迎えの送迎バスに乗り込み、宿泊先であるリベルダージのニッケイパラセホテルに荷を下ろし、その足で土曜日でごった返すリベルダージを散策。ポル・キロという量り売りのレストランで昼食をとりました。昼食後、徒歩にてリニューアルした日本移民史料館を訪問。日系移民の歴史をパネル、映像、展示品を見ながら、各自メモを取っていました。その後、バンでイビラプエラ公園に移動して、同郷の建築家である堀口捨己氏設計による日本館を見学。綺麗に整理された館内を通りながら、2階にある踊り舞台から彼岸桜が咲き誇る日本庭園と群泳する巨大な錦鯉も鑑賞しました。
入り口横の展示品を見てから、隣接する先没者慰霊碑を参拝。移民史料館で学んだ初期移民の苦労を胸に刻みながらの訪問は、少なからず心に沁みたものになったと信じます。
公園を歩いて、自転車に乗ったりジョギングしている人、家族で遊びに来ている人たちを眺めながら、ブラジルの一般生活にも接し、大変興味深そうでした。
途中、売店で初めて椰子の水(ココナッツジュース)を飲んで、記念写真を撮り合いっこしている姿は微笑ましかったです。その後、またバンに乗り込み、パウリスタ大通りの Japan House を見学。これも前面は岐阜県中津川市加子母の中島工務店が東濃ヒノキで外壁を制作。その前にて記念写真を撮り、入館しました。生け花の展示、県別日本酒の展示があり、海外での日本アピールを目の当たりにして興味を持ったようでした。
また、通りの向いにあるブラジルの旧邸「バラの家」へ赴き、かつてのコーヒー富豪の大邸宅も見学。所謂良い時代のブラジルに触れた良い経験でした。
一週間という短い実習なので、かなりハードスケジュールになっており、2日目は今までのブラジル岐阜県人会の会員の皆さんとの交流はただのピクニックでは無くて、一日中一緒に旅行して、かつ農業に触れ、交流を深めるというはじめての試みで、今回近郊の Holambra にて南米一の花卉栽培畑を見学し、咲き乱れるダリア、マーガレット、ひまわりを見て回りました。
見渡す限りに咲き誇るひまわり畑では、わざわざ生産者が来てくれて、直接お話を伺わせて頂き、生徒からは色々な質問が出ていました。
環境に関してや害虫対策について、土壌管理についてと専門的な質問を問いかけていました。その中で印象に残ったのは、「自然を大事にして、あまり人為的にかきまわさない」という生産者の言葉でした。土壌改善、水質管理、気候対応、品質管理等色々あると思いますが、人に置き換えて、医療面でも最高の設備、最高の治療をしても最後にその人の病気を治すの2は本来人間が持っている「自然治癒能力」であり、農業においても生産性を高めるために人為的に何かをやろうとしても、やはり自然の力、作物の持つ生命力、土壌の自浄効果を最大限に引き出すことが肝心であり、科学第一主義で人為的に生産性を高めようとしても、決して良いものは生まれないということ。生産者のあまり土地を弄らないという言葉に感銘を受けました。
その後、バイキング様式のレストランで腹ごしらえをして、オランダ移民資料館を訪問。
駆け足でしたが、オランダ移民の歴史に触れました。
大幅な予定時間遅延ながら、バスで40分近く離れた東山農場にも行きました。ここは三菱の創業者・岩崎家創始のコーヒー大農場で今なお岩崎家の末裔がお住まいになっておられます。 100万本以上のコーヒーの木を栽培をし、アジア特に日本へコーヒーを輸出しているそうです。そのコーヒー栽培の過程を説明して貰いながら大農場をバスで見て回り、標高600mにある展望台や岩崎家の前所有者時代の奴隷小屋を見学。車中からテレビドラマ「ハルとナツ」の収録ロケ跡も見ました。バスの中で、ドラマ「ハルとナツ」のDVDを流して日本人初期移民の苦労を感じて貰いましたので余計に思い出深いものになったことと思います。
最後に当農場でできたコーヒーを頂いて、売店にてコーヒーなど土産ものを購入、帰途につきました。
(原稿:ブラジル岐阜県人会長 長屋充良)
2019年7月の出来事
- 3日
- 県庁の江尻長門氏と国枝美月さんが来伯。ジャパンハウスで岐阜県産展示。レジストロの清水リナ、池戸アンドレ、長屋エリーナ三氏が岐阜を紹介。会員有志が郡上踊りを披露。
- 5日
- 日本祭り開催、県人会も郷土食を販売。
- 8日
- 日本祭り決算、銀行振り込み CIELO からも入金。
- 24日
- 17時から定例理事会。
- 25日
- 事務局専用のコンピュータがストップ。急きょメンテナンス・修理を依頼。
- 27日
- 第41回岐阜県農業高校生海外実習派遣団が来伯。長屋会長が空港へお出迎え。
- 28日
- 農高生と会員がオランブラ、東山農場へ小旅行。
- 29日
- 農高生レジストロへ研修ホームステイ。
- 30日
- 事務局専用のコンピュータがハードディスクが原因でトラブル。
- 31日
- 絵画展の申し込みが終了し、合計26名が申し込み。
2019年7月定例理事会議事録要旨
- 日時: 2019年7月24日 (水) 17時~
- 出席者: 長屋充良会長、日比野健一会計理事、金子亭資書記理事、橋詰二朗理事、長尾理事
- 審議内容
- 6月の会計報告
- 日本祭りの会計報告。ボランティア参加者が62名という今までにない盛り上がり
の中、県人会員の手による日本祭は初参加にも関わらす、黒字を出して大健闘!こ
れもひとえに会員の団結によるもの。もちろん、設備投資等、岐阜県庁の絶大なる
ご支援の賜物である。 - 県人会の若手会員の参加増加による活性化を実現。この流れを止めることなく、
次のステップに飛躍させる。 - ジャパンハウスでも大盛況で、若手リーダーが大変活躍。今後もこの流れを継続し
たい。 - 8月11日(日)にパウリスタ通りで披露する郡上おどりについて。
- 日本祭りで使った器具の貸し出し等は、取り敢えずやめる。
- 浴衣の取り扱いなどを協議。
- 次回の理事会は8月21日(水)17時~