会報 2024年 9月

第43回岐阜県農業高校生海外実習派遣団レポート (パート1)

 

 

2024年7月下旬、ブラジル岐阜県人会は母県の農業高校生を迎えました。
2024年7月24日(水)午前9時30分、岐阜県農業高学校の生徒10名(松木 仁美、遠山 幸之助、尾藤 莉那、大熊 渚沙、西尾 夏海、佐野 瑠々果、丹羽 桜月、大野 真嗣、河本 知之、小林 侑世)、及び教諭2名(団長 水野 歩 教諭、副団長 井ノ浦 慎司 教諭)が、ユナイテッド航空UA845便で、米国イリノイ州シカゴ市の主要空港であるオヘア国際空港からグアルーリョス国際空港に到着しました。派遣団は、日系人が多数住んでいる東洋人街地区として知られるサンパウロ市リベルダーデ地区のガルボン・ブエノ通り425番地にあるニッケイ パレス ホテルに宿泊しました。 休憩後、サン・ジョアキン通り、イビラプエラ公園、パウリスタ大通りにそれぞれ所在するブラジル日本移民史料館、日本館、ジャパン・ハウスを見学しました。


鉱山の探査やインディアンの捕獲を目的とした探検隊(Bandeira)の記念碑、
イビラプエラ公園、サンパウロ市

 

翌2024年7月25日(木)午前5時30分、派遣団はイタペティニンガ市に向け出発、サンパウロ州イタペティニンガ市のアリスティデス・ダ・コスタ・バロス高速道路19km、ピニェイラウ地区に所在するヴィスタ・アレグレ工場を訪問しました。1980年にマヌエル・ロドリゲス・タヴァレス・デ・アルメイダ・コメンダドールによって設立されたウジナ・ヴィスタ・アレグレ社は、VHP砂糖とエタノールの生産、バイオマスのコジェネレーション発電のベンチマークであります。革新と持続可能性に基づいた、克服と成功の歴史があります。 VHP砂糖とは、Very High Polarizationの略で、水分が少なく、砂糖の結晶を覆っている蜂蜜の層が残っている粗糖であります。
訪問の際、カミラ・スエレン・レアル・デ・フレイタス率いるレセプション委員会は、産業プロセスと労働安全ガイドラインについて説明しました。派遣団は、サトウキビをローリーから降ろす工程、蔗糖(しょとう)研究所のサトウキビの蔗糖濃度分析、工場のオンライン管理室、エネルギー・コジェネレーション、エタノール生産、VHP製糖などを、工場施設の階段を上ったり下りたりして、視察しました。訪問後、食堂でおいしい昼食が振る舞われました。

 

  

翌7月26日(金)の朝、派遣団はレジストロの文協で、同行するフクザワ カズオキ、タカハシ ジョイ、シミズ タケシ ルーベンス、マガリオ・ジェフェルソン・レジナルドに紹介されました。
この会合で、派遣団は2つのグループに分けられました。

1) 午前中、4人の生徒と井ノ浦 慎司 教諭は、牛から作られた乳製品のブランド「Leite Suisse」(スイス牛乳)と水牛から作られた乳製品のブランド「Va Bene」(ヴァ・ベーネ)という二つのブランドを所有するシュナイダー乳業のピニェイロス牧場を訪問しました。 派遣団は、牛乳の受け入れから、様々な種類のチーズ、バター、低温殺菌牛乳、ドセ・デ・レイテ(牛乳のお菓子)の製造と保存に至るまでの全工程を学ぶ機会を得ました。 派遣団は、水牛の牧場も訪問しました。グレイル・グループのペトロペンで昼食をとり、午後はシミズ タケシ ルーベンス、フクザワ カズオキ、タカハシ・ジョイ、マガリオ・プリシラ・シュナイダー、イケベ・ラファエルも同行して、ミカンとバナナを生産するカワゴエ エイゾの農園を訪問しました。

 

 

2) 午前中、生徒6名と水野 歩教諭は、セテ・バラス(SP)のサント・アンドレ農場を訪問、イタリアの酵母を使った製品で知られる水牛乳製品工場「レビターレ」を見学し、様々な畜産者から受け入れた牛乳の分析室、水牛乳を発酵させて様々な種類の乳製品(モッツァレラ・チーズ、ブラータ・チーズ、リコッタ・チーズなど)を作る工程、包装工程、製造された製品の保管などを見学しました。 セルフ・サービス方式のレストランで昼食をとり、エンド トラジュの案内でセテ・バラスのニポ・ブラジレイラ文化スポーツ協会(通称セテ・バラス文協)を外から見学しました。 建物の正面には、鳥居が壁に埋め込まれてあり、富士山と広大な茶畑の絵が描かれています。 この文協は、「レジストロ・イグアペ・セテ・バラス日本植民地100周年記念プログラム」の一環でありました。  午後はUNESP(サンパウロ州立大学)のレジストロ・キャンパスを訪れ、バナナやコーヒーのプランテーション、魚の養殖実験、コーヒーの乾燥工程、この地域原産の植物の苗床などを見学しました。  その後、レジストロ市内の観光名所を巡るツアーに参加し、市営市場、日本人移民を支援し、商業・工業・事務業務を集中させることを目的としたKKKK(海外工業株式会社)建築群、リベイラ・デ・イグアペ川の展望台(市とリベイラ渓谷の歴史的ランド・マークであるリベイラ川の美しい眺め)を見学しました。  清水リナ・はるみ、ランジェル・ジョー、マガリオ・マリエリ・キリノ、マガリオ・ジェフェルソン・レジナルド、長尾昇ジョルジェが同行しました。

(続く)

(原稿: ブラジル岐阜県人会 副会長 長尾ジョージ昇)

 

 

第43回岐阜県農業高校生海外実習派遣団ブラジル訪問

 

ブラジル岐阜県人会は、この2024年7月24-29日、母県より「第43回岐阜県農業高校生海外実習派遣団」(水野歩教師団長 井ノ浦教師副団長-生徒10名)をお迎えし、サポートさせて頂きました。
この海外実習派遣団は、1978年から始まり、途中コロナ禍等で中止も含め、46年の歴史がある事業で、世界的な視野を持った岐阜県農業界の次世代育成が、大きな目的であり、当初は1ヶ月ブラジル実習だけで始まり、のち「岐阜県農業高等学校ブラジル会」が結成され、現在大きな組織となっております。
その後、アメリカ、オランダ実習も加わり、今回ブラジル滞在は、6日間となっております。
中津川市と姉妹都市のレジストロ市の農家にホームステイして農業実習をし、バナナ栽培、茶栽培、水牛飼育などを見学し、また世界最大淡水魚ピラルク養殖場で、直接触ったり、刺身、揚げ物を頂いたり貴重な経験をしました。
またアルコール精製所視察、大型潅水施設を備えた大農場訪問、サンパウロ市立市場見学、JICA サンパウロ訪問等、その内容は多岐にわたります。
そうした中、7月28日は、岐阜県人会のメンバーとサントス海岸に交流小旅行を実施しました。
サントス市は、1908年、日本人781名が、ブラジルに到着し日本ブラジル移住が始まった、初めての上陸地であります。
その上陸記念碑を見学、同じ公園内にある、高名な女性日系芸術家、大竹富江さんの日本人移民を記念した壮大なモニュメントの下で記念写真を撮りました。
そのあと、サントスの海岸線を周遊する観光船に乗船し、小1時間船上から素晴らしい眺めを堪能しました。
サントス港では、停泊する大型タンカー、貨物船を近くに見て、しかも圧巻である超大型のオレンジジュース、大豆、穀物集荷場を眺めながら、農業大国ブラジルのパワーを参加者で体感した様な貴重な経験となりました。
下船後は、日系の金星クラブの大食堂で昼食をとり、派遣団のみなさんもブラジル食に舌鼓を打ちました。
昼食後は、水族館、サッカーの王様、ペレの博物館、コーヒー博物館見学、またサントス旧市街地を通る歴史ある路面電車に乗車し、楽しい有意義な派遣団、県人会会員との親睦を図ったサントス市周遊の小旅行ができました。
サンパウロ市に戻り、リベルダージの中華料理店で、派遣団との送別会を催し別れを惜しみました。
会員の皆さんも、若い母県の生徒さんとの交流を、毎回待ち侘びていて、こうした交流によってブラジルと日本、県人会と母県の繋がりが深まる事ができると思います。
来年は日伯修好通商航海条約締結130周年を迎え、「遠くて一番近い国」として、益々交流が活発になることを願い、この事業をこれからもずっと支えていく所存です。
派遣団のみなさん、お疲れ様でした。
これを機会に、日本とブラジルの架け橋になっていただくことを期待いたします。

(原稿: ブラジル岐阜県人会会長 長屋充良)

 

 


2024年8月の出来事

  • 1日 県連へ日本祭り費用:ガス代、電気代、、換気扇使用料金を納める
  • 9日 長屋会長日本訪日
  • 13日 長尾理事、6ヶ月間ブラジル滞在する2名の岐阜県警察官をグアルリョス空港へお出迎えする
  • 23日 カルト―リオから総会資料の登録が承認されましたとの連絡を受ける
  • 26日 銀行と宮坂在団へ登録済みの総会資料を送る

 


2024年8月定例理事会議事録要旨

  • 日時: 2024年8月19日(月) 19:00
  • 参加者: 長屋充良会長、長尾ジョージ昇副会長、平野イラシ理事、佐久間ソニア書記理事、清水リナ地方理事
  • 議事録:
    1. 会長挨拶
      • 岐阜県農高生のブラジル研修が無事に終了し、県人会役員のご協力に感謝を述べる。
    2. 7月度事業佐久間理事より報告
    3. 7月度会計長尾理事より報告
    4. 2025年岐阜県県費留学生(2名応募) 、選考決定、改めて公表する。
    5. 登記所登録について、長尾副会長、大野マルコス理事が直接話をすることになる。
    6. その他