日比野 アリサ – 1年間の留学レポート
私は、この1年間岐阜に住み、たくさんの素敵な経験をすることができました。日本に住んで、自立した生活をすることにより、日本に来る前の自分と比べて大きく成長したと思います。
日本に来た最初の頃は不安しかありませんでした。私はこの1年間生きていけるのか、友達を作ることができるのか、岐阜に馴染めるのかが心配でした。しかし、その不安な感情は高木先生や研究室の人たちと過ごすうちに吹き飛びました。皆は優しくて、面白くて、私が仲間外れにならないようにサポートしてくれて、本当に私は運が良かったと思います。地域マネジメント研究室では大きな行事が2つありました。1つ目は、「飛騨市ふるさと種蔵村」での景観保全活動と現地のサポート活動、2つ目は「ぎふまちづくりTTP大賞」実行委員会の活動です。1つ目の活動で訪れた「飛騨市ふるさと種蔵村」とは、飛騨市宮川町種蔵集落において、その集落を愛する人で組織される架空の村です。地域マネジメント研究室では、ミョウガ栽培をはじめとした集落環境の保全活動に参加しています。初めて種蔵に行った時は、写真でしか見たことのない、典型的な日本の農村風景を自分の目で見て、現実に存在することに驚きました。さらに、現代日本の社会問題を実感しました。それは少子高齢化でした。種蔵では若い人がほとんど居ない中、お年寄り達ができる範囲で集落を守っていました。高木先生がこの集落の景観を守りたい理由が少し分かりました。私は、この1年間の活動で、草むしりや間引き、ミョウガの収穫、集落内をラリー形式で回るゲーム「種蔵GO」を活用するイベント、冬支度等に参加しました。都会育ちの私はこのプロジェクトに参加して苦労することも多く、農家の大変さを感じました。
2つ目の活動の「ぎふまちづくりTTP大賞」の「TTP」とは、「徹底的にパクる」の略で、岐阜県内のまちづくり団体で、他の地域が真似したくなるようなまちづくりの活動をしている団体の、まちづくりの仕組みや工夫について表彰するというプロジェクトです。地域マネジメント研究室の学生が、表彰候補団体に取材をして、活動や真似してほしいポイントなどについてまとめたポスターをまとめ、インターネット上に掲載し、最も良いと思った団体に投票してもらって大賞を決めるという活動を手伝いました。私は、友人と共に揖斐川町小島地区に行き、地区内で幅広い世代が参加できる催しを企画している「チームおじま」という団体を取材しました。チームおじまでは、公民館を中心に、住民のやりたいことを叶える土壌づくりや伴走支援を行っていて、その活動の素晴らしさを知りました。この活動に参加して学んだ事は、岐阜県には地域やそこに住む人々のことを考えて活動をしている団体がたくさんあるということです。表彰候補に挙がっていた団体は、私が担当していた団体だけではなく、他にも3つありました。どの団体もとても素晴らしい目標を持って活動をしていると思います。このような素晴らしい団体の活動を、他の地域がどんどん真似していって欲しいと思います。
大学の講義では日本語、岐阜の自然、防災、観光学、フードシステム論、まちづくりリーダー入門、リスクマネジメント (企業が災害時に事業を継続するための事業計画について)などを学びました。どの授業でも新しいことを学んで、日本や岐阜県のことをより好きになりました。私にとって1番印象的になった授業の説明をしたいと思います。
「日本語クラス」では自分の日本語をさらに磨きつつ、 他の国の留学生と仲良くなり、その人たちの文化に触れることもできました。「岐阜の自然」では、その名の通り岐阜県に生息する生物や植物が、人間や自然にどんな影響を及ぼすかを学びましたが、先生が教えてくださる専門的な生物に関する知識は元々私にはありませんでしたが、この講義を受けているうちに、岐阜の自然に関する新しい事を覚えることができて面白かったです。「防災学」では、防災とは何かということや、ハザードマップの大切さ等を学び、自宅で災害が起こる前と後の準備ができているか確認をしました。ブラジルに住む私達にとっては、防災がどんなに大切なのか分かりづらいと思います。その理由はブラジルには地震や津波といった災害がないので、普段防災を意識することが無いと考えられるからです。災害の多い日本に住んだからこそ、この気づきが得られたと思います。「観光」の講義では、私がブラジルの大学に在学中、コロナの影響で経験できなかった現場での実習を、高山にて実践することができました。内容は、グループに分かれて、自分たちが決めたターゲットを対象に面白そうなツアー(体験、買い物、食事)を考えて岐阜バスの方に発表をし、その発表内容を基に岐阜バスとコラボをするというものでした。実践ではツアーで周るお店にクーポンや特別サービスをして下さらないかを交渉しに行ってきました。
県費留学生としては、2つ大きなイベントがありました。どちらも良い経験と良い思い出になりました。1つ目は多治見市や郡上市、岐阜市での視察です。日帰りの視察で「その市と言えば」という代表的な場所を見て回ったり、体験ができる所では体験をしました。 2つ目は高山西高校の学生達との交流でした。自分の国を紹介したり生徒達と少しだけ話したりしました。日本の高校生と話す機会は珍しくとても面白かったので、あっと言う間に時間が経ちました。もしさらに時間があったら、学生達と1日過ごして日本の高校生活がどのようなものなのか見たかったです。
この1年間、私は研究室の活動や講義を頑張りつつ、休みの日には友人と沢山遊び、時には岐阜県内外を旅行し、日本を楽しむ事ができました。観光を学んでいた私にとって、日本を観光してみることが本当に楽しみだったので、プライベートで色々なところを観光することができ、本当に充実していました。私がこのような素敵な思い出を作ることができたのは、岐阜県庁やブラジル県人会の皆さ ん、研究室の友人達、大学でできた友達と家族のおかげです。本当に感謝の気持ちしかありません。
1年間、日本での留学で得た素晴らしい経験を、自分の今後の人生に活かしていきたいと思います。
日本での最後の一週間は私の次に行った県費留学生のお手伝いをしたり、友達と遊んだりしていました。今でも日本での生活が恋しく感じます。
ブラジルに帰ってきた後実家の温かさを感じられて感動しました。「あー、やっと家に帰ってきた」と思いました。県人会にこの1年間の出来事の発表資料を作っていた時、とっても素敵な経験をしたと思いました。今はブラジルで仕事の経験を得てからまた日本に挑戦したいと思っています。
(原稿:2023年度県費留学生 – 日比野アリサ)
2024年4月の出来事
- 01日 2024年度の日本祭りのブース代県連へ納める。
- 02日 サンタンデル銀行へ今年の総会資料が提出されていないので小切手のサインに問題あり期限切れ)。
- 12日 住川健三氏ブラジル在住2年(母方が岐阜出身)、県人会の催しものに参加希望
- 16日 定例理事会
- 17日 総会資料サインのため、国井理事の会社、平野理事のお店訪問。
- 18日 日本総領事館の他目的ホールを11月の絵画展に使用可能かの問い合わせ, 返事 待ち。
- 19日 元理事の梅村良治氏、5月下旬に郡上ケーブルテレビの方たちの訪伯の下見に 来所。
2024年4月定例理事会議事録要旨
- 日時: 2024年4月16日(火) 19:00
- 参加者: 長屋充良会長、長尾ジョージ昇副会長、大野マルコス理事、大野光男正監事、平野イラシ理事、佐久間ソニア理事、清水リナ地方理事
- 議事録:
- 会長挨拶
- 山川フェルナンダさんが2024年度岐阜県県費留学生として3月31日訪日
- 2023年度岐阜県県費留学生、日比野アリサさんが4月16日帰国。
- 5月1日に、県連会議室で、アリサさんの帰国報告会と、フェルナンダさんにも現状を報告いただく。
- 中部ブロック運動会2025年、開催に向け第一回会議を、オンラインで4月3日に開催する。
- 3月度事業佐久間理事より報告
- 3月度会計長尾理事より報告
- 第2回GMG運動会について
5月26日(日)に昨年と同じCDCで開始する事となる。 - 6月7月の行事を纏める。
- 7月11日 第一回岐阜県人南米大会
- 7月12~14日 第25回日本祭り、 第一回ふるさといいもの展 (Expo Japan)
- 7月24~29日 第43回岐阜県農業高校生海外実習派遣団訪伯
- 会長挨拶