ブラジル岐阜県人会便り
インターネット版
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第311号
2017年7月




第39回岐阜県農業高校生海外実習派遣団が到着

 

 

   総勢11名の派遣団一行を乗せたユナイテッド航空機は予定通り、午前9時30分に無事グァルーリョス空港第3ターミナルへ着陸。 入国手続きを終えた全員は長旅にもかかわらず元気な姿をロビーに現しました。 時差ボケも感じさせず、しっかりとした足取りで出迎え者へ向かって礼儀正しく挨拶をなされた姿は感動的ですらあり、心強く感じました。 一行はニッケイ・パラス・ホテルでチエックイン後、午後2時には岐阜県人会事務所を訪問しました。

   今回の派遣団は、三輪孝司団長(岐阜県農業高校)、佐藤康成副団長(郡上高校)引率者の下、岐阜農林高校より山本琴水さん(動物科学)、守屋和奏さん(動物科学)、安藤遥花さん(園芸科学)。 大垣養老高校から田中華恋さん(生産科学)。 郡上高校からは内ケ島実花さん(食品流通)。 また加茂農林高校からは森崇智さん(食品科学)。 恵那農業高校からは西岡柊矢さん(園芸科学)。 そして飛騨高山高校から諏訪晶哉さん(園芸科学)、石井里佳さん(生物生産)。 以上9名の実習生で構成されていました。

 

 

県人会で説明を受け、熱心に耳を傾ける実習生たち

 

   県人会からは青山髙夫会長、日比野健一会計理事、山田彦次顧問、坂野政信マネージャーと影山六男事務局員で、お互いに挨拶と名刺交換が行なわれました。

   青山髙夫会長より歓迎の言葉が述べられた後に、三輪団長より「39回と継続されてきている同事業の重要性を改めて感じました。 各実習生が掲げている今回の実習プランが可能となったのは県人会の協力があったからこそです」と、謝辞が伝えられました。 山田顧問、そして日比野会計理事よりブラジル事情が全員に説明され、皆さんは真剣に耳を傾けながらノートを取っておりました。

   翌日は、JICA(独立行政法人国際機構)、邦字新聞のニッケイ新聞社およびサンパウロ新聞社を表敬訪問。 その後、パウリスタ大通りにオープンされたジャパン・ハウスを訪問見学し、岐阜県の中島工務店の職人さんが数カ月に渡って建造された地獄組みなどを観賞されました。

   到着3日後の7月26日から、いよいよコロニア・ピニャール耕地へ向けて出発です。 同地の公民館では福井村の方々による歓迎会が催され、特別に和太鼓のジュニアグループ「飛翔太鼓」が演奏を披露してくれました。 後日判った事なのですが、同グループは7月30日に開催された「第14回全伯太鼓大会」で見事優勝し、日本行きの栄冠を勝ち取ったそうです。 2013年、2015年と続いて3度目のジュニア部門の優勝という快挙で、コロニア・ピニャール耕地の皆様、本当におめでとうございます。

   実習生は山下治農園、貴田孝平農園、徳久俊行農園、古庄慶治農園、岡森正史農園、と5軒の農家さんに分散され、ブドウ、柿、デコポン、アテモヤ、ビワ等の果樹の選別や箱詰め体験や牛の飼育方法では自然交配、体重測定並びに去勢等について直接指導を受ける事となりました。

   7月28日はイタペチニンガ市の砂糖、バイオ・エタノール製造工場を視察。 35万ヘクタールの敷地内で収穫されるサトウキビ畑からアルコールが日量40万リットル、砂糖が日量500トン生産されており、製造で排出されたサトウキビの屑は工場で火力発電の燃料として使用され、残りは売電するというスケールの大きさに実習生たちは驚いた様子でした。 昼食後は日本の進出企業「山本山」茶園を視察しました。 品種はやぶきた種という日本茶で、ブラジル唯一の日本茶畑だと説明を受けました。

   7月30日はサンパウロ市の県人会事務所前より会員や岐阜県にゆかりのある方々が貸切りバスでコロニア・ピニャールへ赴き、現地で既に実習を終えた派遣団員との交流ピクニックが催されました。

 

 

お世話になったコロニア・ピニャールや駆け付けた県人会の方々と一緒に

 

   天野鉄人氏所有の大サロンでのセレモニーではまず、ブラジル岐阜県人会の国井宏祐副会長が来伯に対する歓迎の言葉と実習生への労いの言葉がありました。 続いて三輪団長からは、実習生の紹介と県人会およびに農家の方々に対する感謝の言葉が述べられました。

   参加者が持ち寄った品々と焼きたてのシュラスコで昼食会が始まりました。 自家用車で駆けつけた会員を合わせ約40名の参加者は初対面にも関わらず、和やかな雰囲気のもと会話も弾み、大変な盛り上がりでした。 派遣団から日本のお土産が県人会に贈呈され、早速、ビンゴ大会となり、当たった人に景品が手渡されると、満面の笑みで「オブリガード!」が連発されるほどの盛況ぶりでした。 最後は毎年欠かさずに行われている郡上盆踊り。 全員が輪を組んで踊り、その日の行事は終了となり、参加者たちは別れを惜しみながら、コロニア・ピニャールを後にしました。

   翌7月31日は旧岐阜県村(さくら植民地)の花卉農園を視察するため、午前7時に日系パレスホテルを出発。 現地では土田加津司さんと次男のオスカーさんが出迎えてくれ、ラン栽培、バラ園等を紹介していただきました。 お二人の案内で山内一豊さんの農園へ向かうと、お孫さんの裕吾さんが応対して下さり、栽培しているデンファレとオンシジュームハウスが紹介されました。 井川義明さんが経営する花卉農園ではシンビジウムや、胡蝶蘭などの栽培について話を伺うことができました。

   食品の流通を学ぶ機会も今回の計画に盛り込まれており、日常の生活で消費される食材の小売販売も行なわれている世界3位の卸売市場であり、また中南米では初めて設立されたサンパウロ州食料配給センターのセアザ(Ceagesp)を視察しました。

   また、サンパウロ市カンタレーラ地区にあるメルカード・ムニシパル(サンパウロ市中央市場)では、場内に区分けされた店頭で果物、肉類、魚介類、穀物類など商品別に売り場が構成され、質の良い鮮度の高い商品が、日本とは違った陳列方法で並んでいるのを興味深そうに見ていました。

   さらに町のあちらこちらで週に一度開かれるフェイラ(朝市)も視察。 すると、セアザやメルカードとの違いが理解ができず、質問が飛び交いました。 午前中のみの小売販売および曜日による場所の移動などその違いを説明すると、納得してくれたようでした。

   また、アグア・ブランカ公園内の有機野菜市を視察した際には、一般消費者の間で有機野菜への理解度が徐々に深まり、需要が増えていることなどが販売者から説明されました。 派遣団員の皆さんは改めてブラジルでの有機や無農薬への関心が深まっている事を実感し、市場の変化を体感されたようでした。

   8月4日は朝6時にホテルを出発し、オランブラと東山農場へと向かいました。 オランブラまでは約120キロの道のりで、2時間後の8時に到着。 金曜日のせいか、花の競売の入荷数は普段より少なく、既に終了しておりました。 事前にアポイントを取っていたので、組合の総責任者のエリザベッチさんが快く出迎えてくれ、オランブラ設立から現在に至るまでの経緯を説明してくれました。 オランブラという組織がブラジル全土約400人の組合員で構成されている事、さらに2000キロも離れたセアラ州の組合員からは熱帯植物が冷凍トラックで輸送されてくるという物流工程の説明もありました。 さらにミナス州やサンパウロ州から切花、鉢物、球根が入荷され、週3回競りがあり、商談が成立した後は同地より全国へと出荷されて行くというスケールの大きさに皆、関心していました。 ちなみに生花市場のシェア40%は現在も維持しているそうです。

   午後には東山農場へ直行し、午後2時には到着。 三菱の創始者・岩崎彌太郎氏の長男、岩崎久彌氏が1927年にこの農場を購入し、コーヒー農場の経営に至った経緯について説明を受けた後、コーヒー豆を機械で摘み取る現場や収穫後の水洗い、選別、そして天日干し後の乾燥機による乾燥と、一連の工程作業を視察する事ができました。

   以上の農業研修や視察以外にもブラジルをより深く理解してもうらために、イビラプエラ公園内の日本移民先没者慰霊碑を参拝したり、同公園内にあり1954年に建てられた日本館を見学。 さらにリベルダーデの日本移民史料館、サンパウロ植物園、サンパウロ総合大学内を巡り、パカエンブ競技場博物館やMASP美術博物館、ブタンタン毒蛇研究所なども見学し、ぎっしりと詰まったスケジュールでしたが、皆、とても熱心に見て廻っていました。

   最後のお別れ会は派遣団からの招待で、リベルダーデ区の中華飯店で催され、総勢30名が集まり、2週間に渡る実習のエピソードが披露されたり、県人会会員との話しに花が咲き、時が過ぎ去るのを忘れたかのようでした。

   8月6日午後3時、グァルーリョス国際空港へ到着し、スイス空港のカウンターでのチエックインも無事終了。 ブラジル岐阜県人会より同行した日比野会計理事、坂野マネージャー、影山事務局と最後のお別れの挨拶が交わされました。 全員の姿がターミナルへ向かって消えると、寂しいような思いで胸がいっぱいになりました。 素直な高校生たちの後ろ姿を見ながら、次の研修先のオランダでも充実した実習となり、元気に日本に帰国することを願わざるを得ませんでした。

   女性が多かった第39回岐阜県農業高校生海外実習派遣団の皆様、本当にお疲れさまでした。 ブラジル岐阜県人会一同は、皆様の今後のご活躍を心よりお祈り、期待しております。

 

 

 

(原稿:ブラジル岐阜県人会マネージャー坂野政信)


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