ブラジル岐阜県人会便り
インターネット版
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第299号
2016年7月

第38回岐阜県農業高校生海外実習派遣団来伯
県人会と派遣団の密接な関係の強化に期待

     
     今年も岐阜県下の農業高校生の中から厳選された派遣生がさる7月11日(月)正午にサンパウロ・グアルーリョス国際空港に到着した。
     メンバーは中島浩平(なかじま・こうへい)団長(岐阜県立恵那農業高等学校)、三輪嘉文(みわ・よしふみ)副団長(岐阜農林高等学校)両教諭が率いる以下10名のメンバー。 生徒団長の中島百悠(なかじま・もゆ)さん(岐阜農林動物科学2年、中津川市)、野網風子(のあみ・ふうこ)さん(岐阜農林動物科学3年、池田町)、安東潮(あんどう・うしお)君(大垣養老環境園芸3年、大垣市)、大島邦英人(おおしま・くにひと)君(大垣養老環境園芸2年、大野町)、山田健人(やまだ・けんと)君(郡上森林科学3年、郡上市)、近藤圭馬(こんどう・けいま)君(加茂農林生産科学2年、郡上市)、古井(ふるい)あすかさん(恵那農業食品科学2年、中津川市)、山本翔太(やまもと・しょうた)君(恵那農業食品科学2年、恵那市)、黒木康佑(くろき・こうすけ)君(飛騨高山園芸科学3年、高山市)、若山裕太郎(わかやま・ゆうたろう)君(飛騨高山環境科学2年、高山市)。
     24時間以上の長旅に加え2時間の遅れもあり、さぞ疲れているかと思いきや、一行は意気揚々と降り立ち、これから始まるブラジルでの実習に眼を輝かせていた。


グァルリョス空港に到着した派遣団。 出迎えを受け、リラックスした表情の中にも緊張と意気込みが感じられる。

     早速、ブラジル岐阜県人会の青山会長以下、役員の方々の出迎えを受け、宿泊先であるリベルダーデのニッケイパレスホテルにチェックイン。 ブラジルで初めての昼食後、ブラジル岐阜県人会を表敬訪問。 歓迎と挨拶を受け、無事、初日を終えた。
     2日目はサンパウロの市内視察見学で、メルカード(中央市場)、イピランガ博物館、MASP(サンパウロ美術館)、パカエンブー競技場博物館などを視察。 市場では、見慣れない食材や果物、魚介類が所狭しと並べられ、その色彩溢れる豊富な種類と数に圧倒されていた。 MASP美術館では、ピカソやゴッホの傑作を手で触れるくらいの近距離で鑑賞し、皆、驚いていた。
     13日の水曜日から実習先であるコロニア・ピニャール耕地(聖市より180km)に3時間余りバスに揺られて移動。 天野宿泊施設に荷を降ろし、南伯農協、日本語学校を訪問し、地元の篤農家・山下治さんより色々な話を聞き、派遣生たちは熱心に耳を傾けていた。 夜には地元農家の方々が歓迎会をして下さり、日本とブラジルの手料理で歓待を受けた。 また、地元の児童生徒さん達による、力強い太鼓演奏には感動の面持ちだった。
     続く3日間は本格的な農業実習となる。 二人一組で、5組となり、地元の5箇所の篤農家宅でお世話になる。 牛の世話、デコポンの剪定、ビワの収穫、箱詰、トラクターによる開墾など実習をさせてもらう。 「日本との違いを体験できた事は、大きな収穫だった」との感想が聞かれた。
     土曜日は、イタペチニンガ市の砂糖アルコール製造工場も見学。 工場から60km圏内がすべてサトウキビ畑で、工場では24時間、約70ヘクタール分のサトウキビから一日500トンの砂糖と、35万リットルのアルコールを製造してるそうだ。 製造過程でできる搾りかすは、火力発電の燃料となり、資源再利用となっているという説明も受け、その規模の大きさに眼を丸くする派遣生もいた。
     7日目は朝から、お世話になった地元農家さんの地区で家族慰安大運動会があり、100m競争に12名全員が参加した。 お昼はブラジル岐阜県人会の皆さんと交流昼食会があり、シュハスコや心尽くしの持ち寄り手料理などを頂きながら、自己紹介、挨拶、実習生が日本から持ってきたお土産を景品にビンゴをしたりした。 さらに派遣生たちの合唱があり、郡上踊りは県人会の方々と共に踊った。 記念撮影後、派遣団と県人会の方々と共に大型バスでサンパウロ市に戻った。
     残りの1週間はサンパウロ市を拠点に活動。 ニッケイ新聞、サンパウロ新聞を表敬訪問し、その後、有機栽培販売所、モルンビーサッカースタジアム、サンパウロ大学(USP)キャンパス、イビラプエラ公園内日本移民先没者慰霊碑の参拝、同公園内の日本館、ブタンタン毒蛇研究所、セアーザ市場、オランブラ、東山農場、アンシェッタ博物館、バネスパ展望台、植物園、フェイラ、日本移民史料館などを視察。 忙しい毎日を過ごす。
     23日夜は、サンパウロ市内の中華料理店でお別れ会が行われた。 青山会長の挨拶、派遣団と同行された両教諭の挨拶。 伝統あるこの行事の重要性と2年後の40回目の実習生派遣、県人会創立80周年、岐阜県人移住105周年という節目を有意義なものにしていきたいと互いにその思いを確認した。


イビラプエラ公園内の日本移民先没者慰霊碑の前で

     会食が始まり、各実習生が県人会に対する答礼と、ブラジル実習の感想を述べた。 その中で、黒木君は「県人会の同郷の皆さんがこの異国の地で頑張っておられるのを見て、日本でみなに自慢して伝えたい」と言い、また「ブラジルが好きになり、またいつかこちらに戻ってきたい」とも話していた。
     近藤君は「初めての海外で、とても不安だったが、空港で県人会の方々の出迎えを受け、本当にリラックスでき、安心した」と話した。
     山田君は感謝の辞と共に「乞食が道で寝ているのを見て、本当に日本は豊かだと感じた」と語り、若山君は「この研修で得たものをこれからの人生で生かして行きたい」と決意を語った。 山本君は「市場の流通の悪さ、日本との違いを感じた」と話した。
     笛の名手で、本場郡上踊りを見せてくれた山田君も「県人会のサポートがうれしく、心強かった」と感想を述べた。 また、日本での選考基準は、校内選考―面接、作文、書類、成績を県に提出し、選ばれるとのことを教えてくれた。
     また、山本君も県人会のサポートに感謝を述べ、「ブラジルの冬のイメージが違った。 さくらを鑑賞でき、びっくり。 また、サンパウロの人ごみ、車の渋滞にも驚いた」と想像とは違ったブラジルの印象を語ってくれた。
     安東君は、サンパウロの町並みで落書きが多いのが目に付いたようである。 さらに農業に関しては、「年中あったかい気候の特性を生かしている」と感想を述べていた。
     また若山君は「ポルトガル語を喋るのが凄い!また本当に遠いところだ」と率直な印象を話した。 生徒代表の中島さんも、県人会のサポートに対して、感謝の辞を述べた。
     副団長の三輪先生は、「県人会のサポートが心強く、安心していられた。 本当に頼りになった」と話し、さらに「お世話になった農家の方々や県人会の皆さんのおもてなしに、『日本人の心』を感じた」と感想を述べた。
     団長の中島教諭は総括して、県人会のサポートに感謝をし、「今後もさらなる県人会と派遣団の密接な関係を強化していく事」を切望された。
     最終日の24日は、昼食後、グアルーリョス国際空港から次の訪問国であるオランダへ向けて出発。 さまざまな想いを胸に派遣団の皆さんはブラジルを後にされた。

(原稿: ブラジル岐阜県人会 理事 長屋充良)

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